手作り石けん~卵入り石けんの作り方色々~
冬になると卵の入った石けんが恋しくなるのは私だけではないはず。
卵入りの石けんは肌が潤う感じがして大好きです^^
卵を石けんに入れるソーパーさんも多いと思いますが、ひと言で『卵入り石けん』と括ってしまっていいのかな?
卵黄だけを入れる、全卵を入れる、卵白のみを入れる、好みや思い込みがありますよね。
私は卵白の使い道が思い浮かばないのと、髪も洗っちゃうので全卵で作っています。
卵白って髪に良いって聞いたことあるから✨
まぁ、苛性ソーダ水を投入した時点で卵白効果がどれだけあるんだか分りませんけども。
話が逸れそうですが、卵黄にしろ全卵にしろ卵を石けんタネに入れるのって難しくないですか?
石けんを作り始めた頃はシンプルに単独のオイルのみでした。
苛性ソーダの取り扱いにドキドキしていたし、温度も厳重に管理していました。
もちろん作る事そのものが楽しかったし、使うのもワクワクしながら使っていました。
何度かシンプル石けんを作っているうちに卵入りの石けんが作りたくて仕方がなくなってきたんです。
卵入り石けんはハードルが高くて(前田さんの洗脳?)怖々しながら初卵石けんを作った記憶があります。もちろん卵黄のみでした。
そのうちに色々と疑問が出てくるものでして。
全卵じゃダメなの?とか
もっと失敗しない作り方は無いのかな?とか
卵は卵黄だけ?全卵と違うの?
最初に読んだ本に載っていた卵入り(卵黄のみ)石けんは、それはそれは優しそうな色合いで、実際に自分の身体をこの石けんで洗ったらどんな感じがするのだろう?と興味と強い憧れがありました。
卵黄だけを使ったレシピだったので、その通りに作りました。
オイルの温度は低めにして卵黄が固まらないようにヒヤヒヤしながら。
卵入り石けん1号の時にも「卵白どうするかな・・・」とは思ったんです。
料理に使うにしても卵白だけってなかなか使いにくいしね。
ネットで調べてみると全卵で作っている人もいるじゃないか!
私も全卵で作ってみよう!
卵黄のみと全卵の石けんの使い心地
オイルのレシピは全く同じで、卵黄のみと全卵バージョンと比べてみました。
いつもながら写真が無くてゴメンナサイ
色合いは卵黄のみの方が黄色味が強めで、全卵は優しいベージュ(黄色より)です。
卵黄のみの方がいかにも「卵を入れました!」っていう雰囲気たっぷりです。
実際に使い比べてみました。
正直に言いますが、よく分りませんでした。
「これは全卵石けんなんだ。全卵石けんなんだ。」と呪文のように唱えながら使わないと、あれ?どっちだっけ?っていう・・・
あ、そうだそうだ。髪を洗ってみればいいんだ!と髪も洗い比べてみました。
これまた、うーん・・・全卵の方が髪の毛がしっとりしているのかな?・・・
しっとりさせたいと思っているから、そう感じるようにも思える。
結論
どっちも大差ない
ちなみにですが、卵石けんとは、のような定義など存在しないので(笑)卵黄だけでも全卵でも、お好みで良いようです。
さらに「烏骨鶏の卵で作った石けん」というものを見かけたことがありますが、鶏もウズラも烏骨鶏も大差無いと思われます(爆)
石けんタネに入れる事に注目すれば、卵黄のみの方が扱いやすいです。
もうこれは断然、歴然、絶対に卵黄のみが楽です!!!
昭和の人間なんで、勿体なくて卵黄だけで作れない・・・
私が全卵で作る理由はただひとつ。
卵白が勿体ないではないか。
オーソドックスな卵の入れ方?
卵黄とオイルを合わせる
苛性ソーダ水を入れる前に卵黄を入れる方法です。
①容器に卵黄を取り分ける
②卵黄の膜を楊枝などを使って取り除く
③オイルの一部(卵黄1個に大さじ半分強くらい)と膜を取った卵黄を合わせておく
④オイルと③の④卵黄油を合わせる
⑤しっかり混ぜる
⑥苛性ソーダ水を入れていく
卵黄と水を合わせる
卵黄と苛性ソーダを溶かす精製水とを合わせる方法です。
①卵黄を別の容器に取り分ける
②卵黄の膜を楊枝などで取り除く
③量った精製水の一部と卵黄を合わせてよく混ぜておく
④オイルと合わせ、よく混ぜる
⑤苛性ソーダ水を入れていく
上記のどちらで作っても、オイルと苛性ソーダ水の温度さえ高くなければまず失敗はしません。
オイルで卵黄油を作るよりも精製水で卵黄を伸ばす方が楽に出来ます。
全卵で試した方法
全卵で作りたかったので、色々と試してみました。
オイルと合わせる
全卵を良く溶き(卵黄の膜やカラザは取り除いておく)、オイルの一部と混ぜ合わせる。
これは結構大変でした。
卵は1個が約50gあります。卵白はほとんどが水分から成っているので、これと油を混ぜ合わせようと思う事がそもそも無謀だったと感じました。
石けんのレシピのオイルの総量にもよりますが、卵を1個入れたいのか、2個入れたいのか?にもよって違って来そうです。
精製水と合わせる
全卵をしっかり溶き、精製水の一部と合わせる。
この方法はとても楽に出来ました。
後で茶こしを使って卵液を濾すので、卵黄の膜とかカラザも取り除く必要はありませんでした。泡立て器でガンガン混ぜて、泡がたっても濾す工程で泡はタネに入らないので、安心して泡立ててください^^
精製水の量ですが、多ければ卵液を伸ばすのにはとても楽です。
しかし、その分苛性ソーダを溶かす水分が減りますので、ボウルに入れた卵を溶いたときに、傾けたボウルの側面に卵黄が着いていない程度で十分です。
また、全卵の場合、卵の76%は水分なので、使用する卵の重さ×0.76分の精製水を差し引かなくてはいけません。
差し引かずに苛性ソーダ水を作ると水分が多い石けんタネになります。
50g程度なら問題無いかと思いますが、使用する卵が多い場合は要注意です。
ウォーターディスカウントした経験があれば問題ないかな?と思います。
ウォーターディスカウントについてはまた、別にまとめてみようかな。
卵を入れるタイミング
卵黄のみでの説明では苛性ソーダ水を加える前に入れるパターンが圧倒的に多かったです。
全卵でも同じようにして良いかと思います。
私が作る石けんにはミツロウが入るため、どうしてもオイルの温度が高めになってしまいます。
ある程度オイルの温度が下がってからなら、苛性ソーダ水を加える前でも投入出来そうですが、試した事がありません。
苛性ソーダ水の約半分が入ったあたりで、茶こしで濾しながら精製水で溶いた卵液を撹拌しながら投入しています。茶こしはあまり大きく無いし、卵液にもある程度の粘度があるので、ザーッとは入りません。
茶こしにいっぱいいっぱいに卵液を入れて撹拌しても十分ゆっくり行う事が出来ました。
卵液を投入したあとは、苛性ソーダ水を少しづつ様子をみながら加えていきます。
ミツロウを入れて作る場合、オイルの温度が下がり過ぎると偽トレースが出るので、最初に卵液を加えてしまうと一気にオイルの温度が下がるので、オススメ出来ません。
また、苛性ソーダ水を入れ終えたタイミングでの卵液投入は、逆に温度が急上昇してしまい、ジェル化を通り越して分離してしまう(何度か経験しました)ので、これもまたオススメ出来ません。
卵黄のみでも苛性ソーダ水を加えている途中で入れる事が出来ると思います。
が、最初から入れても問題無いならわざわざ途中で投入するメリットは無いように思います。
まとめ
卵白には保湿効果があるそうですが、石けんに入れてもその効果が残っているのかは、はなはだ疑問ではありますが、全卵で作ってみたい方はぜひトライしてみてください。
上手く出来た時の喜びと、使う時のワクワク感はまた格別です。
寒い冬には卵とミルク入りの石けんが落ち着くな~♪としみじみしつつ使っています。