石鹸タネが分離しちゃった!失敗作?捨てないで実は大成功に大変身するよ
どんな石鹸を作ろうか?と色々レシピを考えていざ作り始めてるうちにあれあれ?タネが分離して来ちゃった・・・なんて手作り石けんあるあるですよね~。
そんな時、どうしていますか?
あきらめて捨てちゃいますか?
いやいや、ちょっと待ってー。
実はリカバリーすることで予想外に使い心地の良い石けんになったりするんです。
今回はそんな「石鹸タネが分離しちゃったよ、トホホ」をテーマにしてみます。
タネが分離するってどんな状態?
石鹸を作り始めた頃はオイルの温度も苛性ソーダ水の温度も正確に測っていたので、石鹸タネが分離したことはありませんでした。
また、ハチミツなどを加えるのにもものすごく慎重に行っていたんです。
今じゃもう温度は適当なんですけどね。アハハ
タネが分離する大きな原因はタネの温度が高すぎている時です。
低温で撹拌を始めた場合には分離することは無いでしょう。
けれど室温が高かったり、ハチミツを一気に入れちゃったりすると予想外にタネの温度が急上昇して分離する事があります。
苛性ソーダ水を入れて撹拌を開始する時のオイルは透明ですよね。
撹拌し始めると乳白色に変わって行きます。
タネの温度が上がりすぎてくると、乳白色から透明っぽくなっていきます。
カスタードクリーム様からゼリー状に変わるのです~。
見た目も油っぽい感じが漂ってきます。
撹拌中にゼリー状になることもあれば、型入れして保温しているうちにゼリー状を通り越して分離してしまうこともあります。
分離してしまった原因を探そう
せっかく撹拌したのに、タネが分離しちゃうとものすごくガッカリします。
奮発して投入したオイルのことやレシピを考えてオイルの配合やら鹸化率やら計算した労力などのすべてが台無しになった気分でさすがに凹みますよね・・・
オイルも苛性ソーダ水の温度も40度であれば分離しないんですが、使うオイルによっては40度で開始出来ないこともあるんです。特にミツロウを入れたい私の場合、40度は無理なんですよねー。
オイルの温度が高い
ミツロウ💕な私のような場合には
①苛性ソーダ水の温度を出来るだけ低くしておく
②苛性ソーダ水を少しずつ加える。
③最初に必死に撹拌しない。
オイルによっては40度を超えてしまう場合に出来る事ってこんな程度ですかね。
オイル自体は温度を下げるわけにはいかないですものね。
苛性ソーダ水を少しずつ入れるのは、急激な温度の上昇を避けるためです。
マヨネーズを作るときの様にタラタラと入れても良いのですが、私は面倒なので4分の1ずつ入れて撹拌するのを繰り返しています。
勿論何分おきか?なんて計るはずもなく、石けんタネの様子とか外から触った感触を頼りに入れています。
苛性ソーダ水を入れたら最初の10分は撹拌し続けるのがセオリーのようですが、確かな根拠を見つけられませんでした。
オイルと苛性ソーダ水がキレイに混じり合えば良いと考えれば、そんなに必至になってグルグルしなくても良さそうじゃありません?
ブレンダーを使う人もいるでしょうし。
ブレンダーは使っていないので、ハッキリと言えませんがブレンダーを使った方が分離しそうな感じがします。
ハチミツなどを入れたい
糖類やミルク類を入れたい場合も入れ方は色々あるようです。
①苛性ソーダ水にハチミツを入れておく。
②様子を見ながらほんの少しずつ加えていく。
③ミルク類は苛性ソーダ水を半分入れるまでに投入しておく。
などなど
ハチミツを一気に入れると高確率で分離します。
しまった!!と思った時にはタネがオレンジ色になっちゃった・・・事もあります。
入れすぎも要注意ですよー。
保温中に分離した
保温中に分離した場合には次回から保温しないしか無いですかね。
保温の必要が無かったと言うか、保温しちゃいけない子だったんですからね。
容器をうんと小さい物にすれば大丈夫かもしれないですね。
分離した原因を知ると、次への反省に活かすことが出来ます。
失敗しようと思ってもなかなか出来ないので、いい勉強になってます。
実践 分離したタネを大成功石鹸にするためには
色々な方法で分離したタネを救済してきましたが、一番良かった方法を紹介します。
その前に色々試した結果もご一緒に。
塩析してみた
塩析ってなんすか?な方はこちらもどうぞ
塩析をすれば捨てなくて済むんですが、せっかく鹸化率を下げた意味が無くなるんですよね。上質のオイルで作った真っ白石けんになっちゃいます。
台所用とか洗濯用にしようと割り切るならいいかもしれないです。
もちろん身体ようにも使えますよ。ただし塩析って少々手間暇かかります。
鍋を使って直火でホットプロセスに変更
ステンレスか琺瑯鍋を使ってくださいね。
フッ素コーティングされた深いフライパンでもOKです。
これらの鍋に分離したタネを入れて、直火で混ぜていくとホットプロセスで作った石けんになります。
これだと冷めればすぐに使うことが出来ます。
難点はビシッと四角のキレイな形にはならない。ということと、鍋肌に石けんが残ります。
私的には鍋肌に残ってしまうのが勿体ない気がして仕方がないです。
一押し救済方法はこれ!!
出来上がりの見た目がほぼ合格ラインで、使用感はパーフェクト。
救済方法じゃなくて、この方法だけで作ってしまおうか?とまで考えているんです。
上手くいったらUPしますね。
分離したタネをボウルのまま湯煎していく
ホットプロセスとどう違うのか?と問われると、答えられないんですけど・・・
ポイントはですね、泡立て器ではなくヘラでかき混ぜる事なんです。
下からすくい上げるように混ぜていると、マッシュポテト様になってきます。
本当にマッシュポテトくらいまでしちゃうと型に入れられなくなるので、ヘラですくってみたものを指で触っときにくっついてこなければOKです。
画像が無いのが申し訳無いんですが、このときの状態は透明なゼリー状です。
熱いうちに型に入れてしまってください。
お玉ですくっていると固まってしまうので、ボウルを傾けて一気に流し込むんです。
空気を抜くのはほぼ無理だと思ってください。
細かい気泡入りの石けんになる確率高しです。
型入れしたら、軽くトントンではなくて少し強めにドンドンして下さいね。
あまり強くし過ぎると飛び散りますので、加減してください(笑)
表面は熱いうちにあらかたならしておくか、水で濡らしたヘラでならすと結構キレイになりますよ。
使ってみた感想
実際にこの方法で救済した石けんを使ってみました。
ギュッと締った大成功の石けんでした。
イヤ、本当ですよ?
ジェル化も良い感じになった石けんよりもさらに締っている印象です。
湯煎している間に水分が飛んでいるので、カットして乾燥(必要ないかも?)させても全く形は変わらないんです。
普通は乾燥中に中央部分が少し凹んでいきますよね。
ほとんどホットプロセスだろうな方法なので、熟成期間っているの?いや、要らないだろと思います。
念のために3週間は使わなかったですけど。
捨てる覚悟ができてるなら、試してみて下さいね!