手作り石けん:冬のミルク入り石けん(アトピーさん向け)
うんちくが多いので、今回はシンプルにレシピを紹介します。
私の定番冬用石けんです。
レシピ
[box02 title=”冬のミルク石けん”]アーモンドオイル 25% 200g
キャノーラ油 25% 200g
ラード 30% 240g
ココナッツ油 10% 80g
ヒマシ油 4% 32g
ホホバオイル 2% 16g
みつろう 4% 32g
苛性ソーダ 96g(ディスカウント88%)
水 310cc(ミルクを含む)
粉ミルク150cc[/box02]
ディスカウント88%になっています。
100%だと苛性ソーダは110gちょっとなので、お好みでディスカウントは変えてください。
バッチサイズは1100gです。
レシピの説明
また、おいおい説明しますが、このレシピではキャノーラ油、ラード、みつろう、粉ミルクなどが登場します。
50%ミルク石けんを作りたくて出来たレシピです。
100%も可能ですが、100%にしようとすると失敗率が高確率で起こります。
また、100%ミルクは真っ黒に近い焦げ茶色の石けんになっちゃいます。
メインベースにアーモンドオイルとラードを持って来ています。
キャノーラ油はアーモンドオイルと同量にしました。
みつろうは4%~5%が限界量ではないか?と考えているので、ほぼMAX入れています。
アトピーじゃない方はみつろうが多いと重たく感じるので、入れなくてもOKです。
入れない場合、みつろうの鹸化価は0.065なので、苛性ソーダの量はほとんど変わりません。
ラード、ココナッツ、みつろうは溶け崩れを防ぐ目的です。
キャノーラ油、ヒマシ油で大きな泡と泡の持続性が期待出来ます。
使用感と洗い上がりの感じがアーモンドオイル最高!なのです。
作る時のポイント
粉ミルク
私は牛乳では無く、粉ミルクを利用しています。
保湿力と考えた時に、もちろん牛乳で良いのですが、粉ミルクじゃダメなのかな?
ゴートミルク(ヤギミルク)のレシピがあるんだから、人間用の粉ミルクでも大丈夫なんじゃないか?
そう考えて試してみたんです。
ゴートミルクを使用したことが無いので、違いは分かりません。
ごめんなさいね。
粉ミルクは水分量の半分になるように準備します。
今回の水分の総量は310ccなので、その中から100cc~120ccくらいのお湯で溶いておきます。
少し濃度の高いミルクになります。
しっかり溶いたミルクは、冷蔵庫で冷やしておきます。
冷やしておいたミルクは、苛性ソーダには直接入れない方法にしました。
苛性ソーダにタンパク質を入れると、異常なまでに高温になってしまう事、ひどい悪臭がしてくる、この時点で失敗する可能性が高くなります。
そんな失敗を防ぐために、タネをクルクル混ぜる途中で直接タネの中に入れていきます。
苛性ソーダ水を全て投入した後に3回くらいに分けて入れていくと、失敗しにくいのです。
もしくは、苛性ソーダ水を半分入れた時点で全てのミルクを入れてしまっても大丈夫です。
苛性ソーダに直接ミルクを入れない、というのがこのレシピ最大のポイントです。
ミツロウ
ミツロウは融点が高いので、湯煎にかけてもなかなか溶けません。
ミツロウの融点は61度~66度なので、湯煎にかけたオイルは余裕で65度は超えてきます。
前田さんの著書ではオイルは40度にするように書かれていますが、40度では出来ません。
40度にまで温度を下げると、苛性ソーダを入れる前からオイル全体が固まってきます。
ミツロウが完全に溶けたところで、湯煎から外します。
苛性ソーダ水を入れて撹拌すると15分前後でトレースが出ます。
ミツロウを入れるとトレースが出るのが早いので、モールドや牛乳パックは作業を始める前に準備しておく方が良いです。
実際の作業工程
①ミルクをお湯で溶かし、冷蔵庫で冷やしておきます。
②苛性ソーダを量り、ミルクで使った分を差し引いた水分量で溶かします。
③水を張ったボウルに苛性ソーダ水をいれ、冷まします。
④バッチサイズの倍は入るボウルにオイルを計量しながら入れていきます。
⑤ボウルが入る鍋か、深めのフライパンに水を張ります。
⑥オイルの入ったボウルを湯煎にかけ、泡立て器でゆっくり全てのオイルが液状になるまで混ぜながら溶かします。
⑦オイルに苛性ソーダ水を3回くらいに分けて入れていきます。
(この時泡立て器でクルクル混ぜながら、ですよ。)
⑧途中、もしくは苛性ソーダを入れてから、ミルクを全量ゆっくり入れていきます。
⑨10分以上全体をまんべんなく撹拌します。
⑩トレースが確認出来たら、型入れします。
⑪保温出来る箱か、発泡スチロールに入れます。
⑫24時間保温したら、保温箱から取り出します。
⑬3~4日程度で型出しが可能になっています。
⑭カットして1ヶ月以上乾燥させたら出来上がりです。
使用の感想と今後の課題
使用してみての感想
この石けんは泡立ち、泡の持続力ともに申し分ありませんでした。
キャノーラ油を入れたことで、大きな泡が出来るのでシャンプーもしやすかったです。
ミルクの保湿力も感じる事が出来ました。
乾燥している時期に使うのにピッタリです。
洗い上がりの肌につっぱり感を感じる事も無く、保湿剤を使うのを忘れてしまう事もしばしば(苦笑)
ミツロウが4%入っていますが、重い感じはありませんでした。
*ただし、アトピーや乾燥肌以外の方は重いと思います。
今後の課題
ホホバオイルは液体の蝋ですね。
ミツロウは固形の蝋ですよね。
両方入れる必要があるのか、疑問なんです。
ホホバオイルを入れないレシピで実験してみたいと思っています。
まとめ
ミツロウを入れているので、オイル全体の温度が高いまま苛性ソーダ水を加えるため、部屋の気温が高いとすぐに分離したりします。
寒い時期に作る必要があります。
何度も手作り石けんを作っている方、タネが分離しても対応できるやや上級者向けのレシピです。
ミルク入りの石けんはなんと言っても保湿力が違います。
空気が乾燥し始めたら、どうしてもミルク入りか卵を使った石けんが恋しくなります。
4年以上同じレシピで作っていますが、オイルの配合を変えたいなぁと思わないので、冬の定番石けんのひとつです。